補助金中心の計画に対する内省
補助金獲得を目的化したAIビジネスは価値提供を外し持続しにくいが、当面の資金繰り(3か月で人件費約300万円を確保する必要がある)という縛りがあるため、私は短期的に補助金を足場にする方向を選ぶ。
起点と違和感
先日、以前の職場の先輩と久しぶりに電話をした。AIエージェントや業務効率化の話は面白かったが、提案の重心が「補助金の取り方」に置かれていることに違和感を覚えた。違和感自体は技術や導入の是非ではなく、目的が価値提供ではなく金の獲得に偏っている点にある。
価値提供の原則と短期的摩擦
私の基本姿勢はシンプルで、ビジネスは誰かに価値を渡し、その対価を受け取る循環で回るべきだと思っている。だが現実は次の摩擦があると分かっている。
- クライアントの導入完了までにかかるラーニングコスト(稼働まで2〜3ヶ月の待ち時間)
- 既存チームの切り替え負荷(運用ルール変更で週10〜20時間の追加作業)
- 補助金が通らなかった場合の実行リスクと短期のキャッシュギャップ これらは計画を価値第一に戻す際の障壁であり、無視すれば破綻する。
具体例(時間・金銭・運用摩擦)
私が見積もる現実的コスト例:
- 補助金申請準備:集中作業で6週間、外注資料作成に約20万円
- 採択までの期間:2ヶ月以上、採択が遅れれば月次人件費30〜50万円を内部で負担
- 受給後:報告・監査対応で初期2ヶ月に週15時間の事務作業増加 これらを放置すると、価値提供の軸がずれていく一方で、採択・不採択の振れ幅が会社の存続に直結する。
決断と次の一手(関係コストを含む運用ルール)
理想は価値提供を中心に据え、補助金は補助的に使うことだ。しかし現実の縛り(短期の給与支払い、チームの生活安定、先輩との関係維持)を踏まえ、私は短期的に補助金を当てにする方針を取る。条件は明確にする。
- 補助金は「最長6ヶ月の橋渡し」と定め、期間終了後の自走計画を必須にする
- 先輩との協働は関係コストを考え、提案を即否定せずに価値指標(KPI)と報告頻度を決める
- 採択に依存する比率を50%未満に抑え、採択時も顧客向けのベースサービスに対価を課す 私が妥協を選ぶのは、短期的現金需要と人の生活を守るための痛み止めであり、最終的には価値中心に戻すための期間限定の戦術だ。