失望から立て直す — 推論と計算力を基準に戻す
本来はAIツールをムーブメントや表層機能で評価せず、推論性能と計算力を中心に運用判断を戻すべきだが、短期的な時間コストとチームの受容性という制約があるため、当面は段階的な検証運用(表層機能を併用しつつ基盤を測る)を選ぶ。
発端 — 期待と実運用のズレ
私はOpenClawを試し、見た目の自動化やサブスク連携に好感を持っていたが、日常運用で期待との差が大きかった。具体的には「触れば勝手に効率化する」という前提が崩れ、逆に繰り返し試行と調整に時間がかかってストレスが増えた。ここで評価軸そのものを見直す必要があると気づいた。
基盤で成果が決まるという観察
運用で明確になったのは、ツール名や機能より「どの推論モデルを使い、どれだけの計算資源を割けるか」で成果が決まるという現実だ。たとえば高難度の解析タスクでは、自動化されたワークフローがあっても推論モデルが小さければ正答率が低く、リトライで時間を浪費する。移行を急ぐと、エンジニア工数で1〜4週間、初期のクラウド費用が月に数十万円程度増える可能性がある(見積もり、未確定)。この時間と金の摩擦を無視できない。
制約の明確化と逆方向の選択
ここでの主要な制約は次の3つだ:時間(短期での立ち上げ余地)、お金(予算の即時増加)、そして人間関係(プロダクトや現場が受け入れるか)。理想はすぐに基盤評価に切り替えることだが、現場の反発や運用停止リスクを招く懸念が大きい。だから私は「全面撤退して即座に計算力優先に移す」のではなく、当面は表層機能を維持しつつ、並走で推論性能と計算負荷を測るという逆方向を選んだ。関係者との信頼コストを払って一夜にして変えるより、段階的な合意形成に時間を使う判断だ。
段階的計画(短期の摩擦を最小化するための手順)
- 2週間で最低限のベンチマークを作り、推論精度とレイテンシを定量化する(エンジニア工数の見積もりを明記する)。
- 1ヶ月並行運用で、現行ワークフローと計算重視ワークフローの差を測る(運用負荷の増減を記録)。
- 費用影響を上流に提示し、必要なら優先度を再調整する(短期的には月ベースで数十万円の見込みだが不確か)。
- チーム合意が取れれば段階的に計算資源を増やし、取れなければ表層改善を続けつつ再評価する。
この順序は最短で理想に到達するわけではないが、短期の実行リスクと関係コストを抑えつつ、本質に基づく判断へ徐々に舵を切る現実的なやり方だ。私にとって重要なのは「見栄えの良さに流されないこと」と「チームを巻き込むための時間を最初から予定に入れること」だ。